OM-1で野鳥を撮っていると、カメラをブン投げたくなるときがある。とまっている鳥にピントが合わないのだ。撮影の状況を検証すると、ピンがこないカラクリがつかめてきた。
とまっている鳥の撮影では最小のAFターゲット(シングル)を使ってC-AFで鳥の目をねらうことが多い。その際、鳥の目や頭にAFターゲットを当てていても、手前の近い位置に枝や葉があるとそちらにフォーカスが持っていかれてしまう。
鳥認識を使用すると、手前の枝にAFが引っ張られやすいことは聞いていた。実際に自分で使ってみても鳥認識AFの精度はイマイチだと思った。被写体認識とAFの機能が正しく連携していないという印象をもった。
そのため、鳥認識AFをオフにした設定でC-AFを使っていた。OM-1のEVFにも徐々に慣れて、動く野鳥をファインダーで捕捉できるようになっていた。
鳥認識AFは使わずに自分で鳥の目に合わせればオッケー。そう思っていたのだが、問題はC-AFそのものにあった。
上記のケースでは、C-AFからS-AFに切り替えると手前の枝ではなく鳥の目に合焦することがわかった。そこで、C-AFからS-AFへ即座に切り替えられるようにFnレバーを設定することにした。
OM-1+パナライカ100-400は小型軽量で機動性に優れ、質感と見た目もよいので気に入っている。野鳥写真の新たな可能性をひらくプロキャプチャーのような機能もあるし、シーンによっては鳥認識AFも真価を発揮する。
できれば長く使いたいと思う。その一方で、野鳥写真の肝であるAFに問題があるカメラをメイン機に据えるのはどうなのかとも思う。
鳥認識AFの活用について再考すべきなのかもしれない。視力と反射神経は歳とともに衰えていく。目で鳥を追うのは難しくなっていくだろう。
鳥認識AFが信頼できるカメラなら写真の構図に専念できる。ソニーやキヤノンの最新機種が頭に浮かんだ。被写体認識の精度にはメーカーの企業体力(技術力やリソース)がそのまま反映されているように感じる。
新たな散財を強いられることになるけれど、優秀な鳥認識AFのカメラを手にすれば、シニアの野鳥フォトグラファーは幸せな余生を送れそうな気がする。
期待していたパナソニックのG9ⅡもC-AFの評判は芳しくない。OMDSが新たなハイエンドカメラを出すという噂もある。その前に、OM-1のファームウェア2.0を公開してほしいのだが。
ブン投げるか、それともカメラと向き合ってとことん使い倒すか。野鳥を撮るOM-1ユーザーには、そのいずれかの選択肢しか残されていないのかも。その間で揺れながらフィールドで鳥を探す暖冬の日々。
やっと近くで撮れたニシオジロビタキ