片隅のユートピア

野鳥を愛するシングルシニアの雑記帳

朝の渚で待つ鳥は

海で野鳥を撮るときは潮見表が欠かせない。今週は朝が干潮なのを知り、撮影のチャンスだと思った。

満潮だと砂浜が狭くなり、散乱する漂着ゴミに鳥が埋もれてしまう。野鳥は撮れてもごちゃごちゃしたウルサイ写真になる。

干潮になると砂浜は広がり、エサを求めて鳥は波打ち際を歩く。波で洗われる波打ち際はきれいだ。

波打ち際を歩くシロチドリを低い位置で撮りたいと思った。Nikon D500のチルト液晶はAFが遅いので、地面にいる鳥をローポジションで撮るのは大変だ。動作がもっさりしたムナグロならイケるけど、ちょこまか動くハクセキレイは厳しいみたいな・・・

ミラーレスのOM-1を購入したことで、長年の課題は解決するはずだった。が、その機会がめぐってこない。シロチドリを見つけて波打ち際に近づくと、テケテケと小走りに去ってしまう。漂着ゴミに紛れているときは近づいてもわりと平気なのだが。

波打ち際でシロチドリを迎え撃つにはどうしたらよいか。思案に暮れていると、思わぬ救世主が現れた。スズメ大の渡り鳥、トウネンが飛来したのだ。

早朝、浜に行くとトウネンが波打ち際を歩いていた。エサを探すのに夢中で警戒する様子はない。先回りして近づくのを待つことにした。

波打ち際にしゃがみ込み、地面から数センチの高さにOM-1を構える。被写体検出で「鳥」を選択し、バリアングル液晶に目を凝らした。

トウネンはこちらへグングン近づいてくる。鳥の頭部が認識されていることをモニターで確認し、雨あられとシャッターを切る。

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https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/tokajar_h/20230909/20230909190027.jpgOM SYSTEM OM-1 + LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm

モニターに映るトウネンの動きが止まった。顔を上げると3メートル先にトウネンがいた。距離が近いのでビックリする。

それ以上進むのは危険だと思ったのか、波打ち際を戻りはじめた。後ろ姿を見送りながら、心の中でガッツポーズを決めていた。

今回は鳥認識AFが役に立った。歩留まりはそれほど良くないけれど、たくさん撮ればガチピンの写真も混じっている。

見上げるとミサゴが上空を舞っていた。OM-1でミサゴのダイブを撮ったら面白そう。初めて、OM-1を買って良かったと本心から思った。