片隅のユートピア

野鳥を愛するシングルシニアの雑記帳

南薩ドライバーズハイ

ドライブが趣味。というわけではないけれど、眺めのよい道を走るのは好きだ。野鳥撮影でいろいろな場所を車でまわるのは楽しい。

もともと車はあまり好きではなかった。20代のときに合宿で免許はとったけれど、ずっとペーパードライバーだった。

イカーを持ったのは49歳のとき。沖縄移住がきっかけだった。それ以来、車は生活に欠かせないパートナーとなった。

買い物が車ありきのスタイルに変わった。イオンで1週間分の食料をまとめて買う。ふとんやブロックなど、かさばるものや重いものも車で運ぶようになった。

イカーは趣味でも大活躍。車のルーフにカヤックを積んで海まで運んだり、シェルターの代わりにして車内からヤンバルクイナを撮影したりした。

沖縄にはドライブを楽しめる場所がたくさんあった。沖縄のライトブルーの海はないけれど、ここ指宿も景観では負けていない。開聞岳という美しい山があるし、イッシーが棲む(?)池田湖もある。錦江湾越しに桜島大隅半島の山並みも見渡せる。

海や山を眺めながら車を走らせていると、それだけでシアワセな気分になる。車を駆使することで地方の不便さは解消され、自分が最も価値をおく自然の恵みを最大限に享受できる。求めていた田舎暮らしはこういう生活なのかもしれないと思う。

最近、指宿でのドライブコースに新たなお気に入りが加わった。それは、指宿スカイライン。有料だと思っていたら、指宿から頴娃インターまでは無料らしい。

途中には千貫平自然公園という眺めのよい公園がある。標高577mなので少しは涼しいだろう。探鳥を兼ねて朝早く出かけてみた。

快適なドライブだった。工事中で片側交互通行の箇所もあるけれど、そこを過ぎれば運転を妨げるものは何もない。緩やかなカーブと起伏を繰り返しながら、山の稜線近くを快適な道が走っている。ほどなく千貫平の標識が見えてきた。

野鳥はパッとしなかった。ホオジロヤマガラを見かけたが、写真は撮れずじまい。それでも、開聞岳大隅半島の眺めは見応えがあった。

そのあと、近くにある「夢・風の里 アグリランドえい」に寄ってみた。温泉のほかゴーカートやミニゴルフ、ミニ動物園などを備えた大規模な娯楽施設だったらしい。過去形で語るのは3年前に閉館したからだ。現在は、地元のNPO法人がイベント会場として使っている。

車を停めてぶらぶら歩いた。草原や牧草地、森林が眼下に広がり、丘の上では風力発電の風車がまわっている。山頂が雲に隠れた開聞岳も見える。静かで人の姿はほとんどない。

往事の賑わいは影を潜めてしまったけれど、心が落ち着く場所だった。さらに歩くと、ミニ動物園の跡地にウサギがいた。野ウサギなのか、それとも施設で飼われていたものなのか。

駐車場のトイレはきれいだし、飲み物の自動販売機もある。指宿スカイラインを利用してまた来ようと思った。鳥がいないときでもウサギが迎えてくれるだろう。

目がクリクリしていて可愛い

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/tokajar_h/20230903/20230903191722.jpg近くの森にはヤマガラがいた