ブログやSNSを利用すれば、野鳥の情報を簡単に得られるようになった。野鳥撮影にネットでの情報収集は欠かせない。
春の渡りも終盤を迎えた南薩。意識はおのずと薩摩半島の西側へと向かう。ヤツガシラ、クロウタドリ、ツバメチドリなど、レアな鳥たちとのエキサイティングな出会いが待っている。
そんな思いに駆られてプチ遠征を試みたのだが、まったくの空振りに終わった。片道1時間半を超えるドライブ。徒労感はハンパなく、探鳥の取り組みを見直すきっかけとなった。
ネットの情報に基づいて遠征しても、時間と労力に見合う成果が得られるとは限らない。ホームタウンのマイフィールドにもっと意識を向けるべきではないのか。
近場のフィールドに足繁く通えば、季節の野鳥について詳しく知ることができる。どこでどんな鳥が見られるのか、撮りやすい場所はどこか、有利な撮影条件は何かなど、野鳥撮影に役立つ知識が蓄積されていく。
これからの季節、撮影の時間帯を早朝に繰り上げることが成果につながる。マイフィールドが家の近くにあればその点でも有利だ。
去年の6月、自宅から近い山の麓でアカショウビンの鳴き声を聞いた。わが街にアカショウビンがいる。そう思うと嬉しくなった。
鳴き声を聞いたのはその朝だけだった。毎日通っていれば、鳴き声だけでなく姿も拝めたかもしれない。ひょっとしたら撮影の機会も・・・
ホームタウンで出会う特別な鳥たちは、自分が住む土地への愛着も深めてくれる。この春、ホームタウンで目にしたライファーは4種。いずれも珍鳥ではないけれど、胸の高鳴る体験だった。
ハチジョウツグミ(中間型?)
今年もアカショウビンの鳴き声を聞けるだろうか。その山にはサンコウチョウも渡ってくる。中腹にはオオルリがさえずる高い木もある。
近くの山がお宝ザクザクの野鳥パラダイスに思えてきた。遠くへ目を向けなくても幸運な出会いは足もとに転がっている。そんな予感がした。