片隅のユートピア

野鳥を愛するシングルシニアの雑記帳

出費がとまらない

一戸建てを買えば家賃の支払いから解放される。そう考えて、築50年の中古物件を買って鹿児島に移り住んだ。それから8カ月。家賃分は節約できているはずなのに、毎月の出費に歯止めがかからない。

移転先で新たな生活を始める。いろいろ物入りになることはわかっていた。ウッドカーペットやカーテン、ダイニングテーブルなどの家具調度品を買う必要があった。

鍵の交換や古い浄化槽ブロアの買い替えもしなければならない。1月には車検もあり、タイヤ交換を含めて計13万の出費を余儀なくされた。

必要な家財道具があらかた揃い、ローコストの生活がやっと始まると思ったら、思わぬトラブルに見舞われた。車を停めるときにアクセルとブレーキを間違えて自宅の玄関に激突したのだ。

玄関扉の修復や車の修理など、このアクシデントで計10万円を失った。お金を無駄にしたことよりも、高齢者あるあるの間違いを自分が犯したことにショックを覚えた。アクセルとブレーキを踏み間違えるなんてフツーあり得ないだろう。

玄関クラッシュの心の傷も徐々に癒えて、いつしか夏本番を迎えていた。鹿児島の夏は暑い。自宅は海から近いのでまだマシだけど、日中の気温は沖縄よりも明らかに高い。

それでも、冷房代はケチらないことにした。高齢者は熱中症によわいのだ。ちなみに7月の電気代は4,627円。沖縄での去年7月の電気代は1万円を超えていたので半額以下だ。これも原発のおかげか。そう思うと複雑な気分だった。

光熱費の比較では、プロパンガスの料金は沖縄と同じくらい。水道料金は沖縄が上水道+下水道だったのに対し、当地では上水道+浄化槽保守費用となる。年間総コストでみると沖縄よりも高い。

その浄化槽では、予期しない請求が待っていた。浄化槽法定検査をやるから検査料を5千円払えという。浄化槽のメンテナンスは年間3万円で業者に頼んでいたハズ。二重取りされて納得がいかないのだが。

ほかにも火災保険として加入した「住まいる共済」の掛金だとか、東京へ行ったときの交通費だとか、なんやかんやで金はビュンビュン飛んでいく。

持ち家でも月額6万円の年金で暮らすのはムリ。最初からそれはわかっていた。それでも、あと2、3万円あればやっていけると思っていた。毎月2万の不足なら貯金を取り崩せば済むと。

しかし、ここ数カ月の生活費をみると、一番少ない月でも10万以上は使っている。毎月の出費を8万程度に抑えるように支出を切り詰めなければならない。

その決意をあざ笑うように、国民健康保険税と不動産取得税の納税通知書が送られてきた。非課税世帯なので保険税は最低レベルなのだが、指宿は名護の倍ちかい。

購入物件は軽減措置の要件を満たしていないので、不動産取得税の請求が来ることはわかっていた。問題は金額だ。おそるおそる封を開けて中身を確かめる。

思ったより安かった。ホッとすると同時に、安上がりの家に住むチープな自分が哀しくなった。

家はチープでも近くにはゴージャスな浜がある