今年の5月にOMDSのOM-1を購入し、野鳥撮影で使っている。初めて体験するマイクロフォーサーズ(MFT)であり、初めて使用するミラーレスのカメラだった。
だいぶ慣れてはきたけれど、まだ十分に使いこなしているとはいえない。OVFに馴染んだ眼にEVFは違和感がある。鳥認識AFもイマイチ信用がおけない。
それでも軽さは正義だ。OM-1+パナライカ100-400mmを使ったあとにD500+シグマ100-400mmを使うと重く感じる。マイクロフォーサーズを一度使うと、コンパクトで軽い機材の虜になり、後戻りできなくなる。
高感度やダイナミックレンジなど、心配していた画質面も個人的には許容範囲だった。高感度については、PureRAWなどのアプリ使用でさらなる改善も見込める。
とはいえ、被写体によってはレフ機のOVFが有利なときもある。木の枝をめまぐるしく移動するメジロとかエナガとか。ミラーレスを買ってもレフ機の出番は消滅しない。
それでも、OM-1の操作に習熟すればMFTへの移行は加速していくだろう。筋力低下に直面するシニアのバーダーにとって、フルサイズ/APS-CからMFTへのダウンサイジングは必然的な流れなのかもしれない。
そう考えていたら、OM-1の対抗馬となるMFTの新モデルが発表された。パナソニックのLUMIX G9Ⅱだ。G9の発売は5年前の2018年。後継機種はもう出ないだろうと諦めていたので嬉しいサプライズだった。
5年半ぶりのモデルチェンジとあって、G9Ⅱの機能は大幅に進化している。最大のウリは像面位相差AFの搭載だろう。ほかにも手ブレ補正や連写速度の向上など、野鳥撮影に役立つ機能強化がテンコ盛りだ。
比較レビューの動画を見ると、OM-1よりもAFは優れているという評価もある。OM-1でパナライカの100-400mmを使っていて、手ブレ補正はイマイチ弱い気がする。やはり、同じメーカーのG9Ⅱと組み合わせるのがベストなのか。
G9Ⅱは10月末に発売される。実売価格は約23万円。フルサイズと比べて価格が安いこともMFTのメリットだ。フラッグシップモデルが20万円台前半で買えるのだから。
発売後しばらく経って、野鳥を撮るユーザーに行き渡ったときにどのような評価が下されるのか。個人的に一番関心があるのは、野鳥の瞳AFにおけるガチピン率だ。
OM-1よりも明らかに精度が高いと確信できるかどうか。購入するのはそれを見極めてからでも遅くはない。とりあえずそう思うことにした。