片隅のユートピア

野鳥を愛するシングルシニアの雑記帳

パナライカ100-400について想うこと

カメラ「OM-1」については何度か記事にしてきたが、レンズのパナライカ100-400mmについては詳しく触れてこなかった。購入して半年が過ぎ、今では野鳥撮影に欠かせなくなったこのレンズについて想うところを書いてみたい。

カメラやレンズなどの撮影機材を買うときは、価格コムのレビューを参考にしている。パナライカ100-400の評価はかなり割れていた。マイナス点として主に挙げられていたのはズームリングの固さとテレ端の甘さ。星1~2のレビューではとりわけ酷評されていた。

実際に使ってみると、いずれもノープロブレムだった。ズームは200~400mmの間で多少固くなるが、ストレスを感じるほどではない。テレ端の写りも充分に許容範囲。F8まで絞るとさらにクッキリする。

ズームリングの固さはロットに依るのかもしれない。初期のものに多く、その後改善された可能性がある。

テレ端の甘さについては、レンズ以外にも原因が考えられる。ひとつは陽炎などの空気の揺らぎ。フルサイズ換算800mmの超望遠なので大気の影響を受けやすい。

手振れが原因で画像が甘くなることもある。テレ端が甘い例として価格コムのレビューに載っていた写真には、明らかに手振れしているものがあった。

組み合わせるカメラによってもレンズの評価は変動する。OM-1と組み合わせたパナライカ100-400のテレ端画質は、個人的には充分に満足のいくものだった。

ズームの固さとテレ端の写りは全然オッケー。問題は短すぎるフードだ。これでは遮光の用を成さない。フィルターは付けない派なのでレンズ保護の点でも心配だった。

別売の純正フードは高いし評判もイマイチ。ネットで調べると、ニコン純正フードのHN-13が使えるらしい。

新品同様のものをメルカリで安く入手できた。フィルター径72mmのパナライカ100-400でこのフードを使うために、ステップアップリング72mm→86mmと86mmのレンズキャップをAmazonで購入する(キャップはフードの先に装着)。OM-1とパナライカ100-400による野鳥撮影システムは、こうして完成に漕ぎつけた。

このレンズは外装に金属を使用し、高級感がある。サイズのわりに重く感じるのだが、そのずっしりとした感触がまた心地よい。代用したフードも金属製で質感が高く、パナライカ100-400との相性はバッチリだ。

パナライカ100-400で半年ほど野鳥を撮影し、ボケがきれいなことと色乗りの良さに好印象を受けた。一方、OM-1との組み合わせでは手振れ補正の効きがイマイチだと感じた。

テレ端では手振れが発生しやすいので、しっかりホールドする必要がある。シャッター速度は1/320秒以上が望ましい。

ほかにも、背景がうるさい森で小鳥を撮るときは300mmに縮めるとAFの歩留まりがよくなるとか、テレ端ではなるべくF8まで絞るとか、被写体の鳥と状況に応じてSingle、Small、AllのAFターゲットを使い分けるとか、撮影上の留意点はいろいろある。

それでも、筋力が衰えたシニアの野鳥フォトグラファーにとって、このレンズは何ものにも代えがたい存在だ。1キロを切る重量でフルサイズ換算800mmを実現した唯一無二のレンズなのだから。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/tokajar_h/20231119/20231119122612.jpgハクセキレイ

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/tokajar_h/20231119/20231119122640.jpgモズ

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/tokajar_h/20231119/20231119122706.jpgジョウビタキ

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/tokajar_h/20231119/20231119122722.jpgアオサギ

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/tokajar_h/20231119/20231119122737.jpgアオジ
アオサギ以外の写真はテレ端の400mmで撮影