片隅のユートピア

野鳥を愛するシングルシニアの雑記帳

沖縄vs鹿児島 野鳥あれこれ

鹿児島で野鳥撮影を始めて8カ月が過ぎた。昨年まで住んでいた沖縄とは野鳥をめぐる環境が様変わりした。見られなくなった鳥もいれば、新たに被写体となった鳥もいた。

いま振り返ると、沖縄は魅力的な野鳥撮影フィールドだったと改めて思う。沖縄固有種であるヤンバルクイナノグチゲラホントウアカヒゲの「やんばる3種」はいずれ劣らぬ個性派ぞろい。この土地でしか会えない鳥たちを求めてやんばるの森を渉猟するのは楽しかった。

7月の沖縄は野鳥撮影のトップシーズン。ライトブルーの海でアジサシを撮るか、亜熱帯の森でアカヒゲノグチゲラを撮るか。夏になると悩ましい選択を迫られた。

移住した鹿児島では鳥枯れの夏が待っていた。7月は一度も探鳥に行かなかった。猛暑だったせいもあるけれど、暑いなかわざわざ撮りに行きたいと思える野鳥が思い浮かばなかった。

一方、鹿児島に来たことで沖縄では縁がなかった野鳥を撮影する機会も生まれた。エナガホオジロカワラヒワノビタキカワガラスなどがこれに当たる。写真はまだ撮れてないけれど、ヤマセミやマミジロも目撃した。

こうした新たな野鳥との出会いが沖縄固有種ロスの解消につながった。キュートなエナガにはとりわけ惹かれる。ちょこまか動くので撮影の難度は高いけれど。

沖縄北部のマイフィールドでは、ヒタキ類との出会いは限られていた。例外は、秋に渡ってくるエゾビタキくらい。固有種のリュウキュウキビタキもいるけれど、山深い場所に棲んでいるため、鳴き声は聞けても撮影は難しい。

ルリビタキジョウビタキノビタキなど、ヒタキ類を目にする機会は鹿児島に来てグンと増えた。これから冬を迎えるにつれて、ヒタキ類の飛来は増していくだろう。フォトジェニックなヒタキ類を存分に撮影できるのは内地ならではのこと。

鹿児島に来たことで、今後見られるかもしれない野鳥のリストは拡充された。探鳥で心がけていることがある。それは、予断を排するということ。どうせダメだろうと行かずに済ますよりは行って後悔するほうがマシ。そう思うようにしている。

今年は神奈川県にサバクヒタキが飛来し、兵庫県ヤイロチョウが出現した。どこでどんな鳥が見られるのか。それは誰にもわからない。

鹿児島には越冬するコマドリがいるらしい。コマドリアカヒゲの近縁種だ。新たなマイフィールドに足繁く通えば、いつか幸運な出会いが訪れるかもしれない。その日を夢見ながら、Googleマップで探鳥の候補地を探すのもまた楽しい。

アカヒゲにはもう会えないけれど、コマドリなら・・・