片隅のユートピア

野鳥を愛するシングルシニアの雑記帳

マイハウス マイラブ

7月もあとわずかだ。今月は野鳥を撮りに行ってない。連日の猛暑で外出する気になれなかった。鳥枯れの季節なので、これといった被写体も思い浮かばない。

去年の夏、沖縄ではヤンバルクイナとアジサシを撮っていた。沖縄に鳥枯れの季節はない。その地の利を自ら放棄した。もったいないことをしたと今になって思う。

気持ちを切り替えることにした。鳥枯れ上等。この機に乗じて家の問題を片付けるのだ。懸案だったふすまの張り替えに挑むことにした。

Amazonのレビューを参考にしてシールタイプのふすま紙を購入する。ふすまを立てて重力を活かして貼る方法がYouTubeで紹介されていた。このやり方でまずまずキレイに貼ることができた。

リクライニングチェアに座って白く輝くふすまを眺めた。室内の雰囲気はガラリと変わっていた。オーク材のウッドカーペットと緑のカーテンに白一色のふすまが映えている。悪くない部屋だと初めて思った。

突っ込みどころ満載のしょうもないボロ家。引っ越した当初はそう思っていた。半年かけてすこしずつ手を加えることで、そのボロ家をマイホームへと変えていった。

ふすまを張り替えたことで、自宅のメンテもやっと山を越えた。穴だらけで茶色く変色していたふすまがボロ家のイメージの源泉であったことにも思い至った。

ふすまの修繕はボロ家の認識を変えてくれた。同時に、それまで意識にのぼることがなかった感情も呼び覚ました。終生のパートナーになるかもしれない我が家に対する愛着の念だった。

この家は、静かな夜というかけがえのない恵みを与えてくれた。生活音に悩まされていた沖縄の賃貸アパートを思い出す。早く寝るときは耳栓が欠かせなかった6階の部屋を。

安眠だけではない。心が安らぐ空間も提供してくれた。猛暑や豪雨からも身を守ってくれる。防寒面ではまだ改善の余地があるにしろ・・・

歳をとるにつれて自宅で過ごす時間はますます増えていくだろう。家のメンテナンスについても長期的な視点で考える必要がありそうだ。

6月に起きたシロアリの大量発生が脳裏をよぎった。専門の業者に一度見てもらおうか。鳥枯れの季節が終わって渡り鳥のシーズンが本格的に始まる前に・・・

純白のふすま紙。美しい・・・