片隅のユートピア

野鳥を愛するシングルシニアの雑記帳

蟲がわく家

昨年末に鹿児島へ越してきた。最初は引っ越しの時期を間違えたと思った。築50年の木造家屋はスカスカだった。10年に一度の寒波に見舞われて、寒さで身を縮ませながら隙間風で揺れるカーテンを眺めていた。

春を迎えると暖かくなった。やれやれと思っていたら、新たな問題が浮上した。家のさまざまな場所で不快な虫を目にするようになったのだ。

トップバッターはクモ。寒いうちから現れていた。小さなクモならまだいい。カーテンをめくるとタランチュラのようなクモがいて叫び声をあげそうになった。

巨大なクモの子供なのか、2~3ミリの子グモがカーテンの上を四方八方へ逃げていく。クモの子を散らすとはこのことかと妙に感心した。

浴室はヤスデのテリトリーだ。風呂に入るときはヤスデがいないかタイルに目を凝らす。見つけたらダイソーのシュガートングでつまんで窓からポイ。1回あたり1~2匹と数が少ないのが救いといえば救いだ。

ゴキブリも早いうちから姿を見せていた。百均のゴキブリホイホイを数箇所に置いたのだが、1匹も捕れなかった。百均の商品だから効果がないのか。そのゴキブリも最近はなぜか見かけなくなった。

6月にはイエシロアリが大量に発生してパニックになった。隙間だらけの家なので、飛来したシロアリが容赦なく室内に入り込んでくる。

1回目の襲来は6月上旬。2回目は5日前の水曜日だった。2回目は数が非常に多く、ホラー映画の世界に迷い込んだ気がした。

生きているシロアリはガムテープで絡め取り、死んだシロアリは掃除機で吸い取った。取り損ねた死んだシロアリが床の上でモゾモゾ動いている。数匹のアリが運びだそうとしていた。

眼を凝らすと、室内のあちこちに小さなアリがいる。アリにとって死んだシロアリはご馳走なのだろう。

小さくてもアリなら見つけられる。やっかいなのは姿を見せない害虫だ。朝、着替えようとすると皮膚に赤い発疹ができているのに気づく。犯人はダニかそれともトコジラミか。

築50年の木造家屋は虫たちにとって恰好の棲家だ。今後も虫たちとのバトルは続くのだろう。

頼みの綱は害虫対策グッズだ。百均ショップやドラッグストアに行くとさまざまな商品が売られている。スプレータイプの商品を試しに使ってみたが、クモやアリの駆除に効果があった。

気がかりなのはイエシロアリだ。2回目の発生は数が多く、天井の隙間からも現れていた。外から飛んできたのならいいけれど、天井裏に巣を作っていたらヤバいかも。

これから夏にかけて出番が増えそうだ