花の蜜を吸うメジロは冬から春にかけてが撮影シーズン。いまの時季に花メジロは撮れないけれど、花を絡めて野鳥を撮ることはできる。
その有力候補がセイタカアワダチソウだ。この時期、田園地帯のあちこちで黄色い花を咲かせている。
この花のてっぺんに鳥がよくとまる。ホオジロ、セッカ、ノビタキetc。ノビタキが一番絵になるけれど、ホオジロやセッカと比べるとシャッターチャンスは限られる。
先週は、セイタカアワダチソウに彩られた1週間だった。向かったのは傾斜地に造られた耕作地。北風の強い日が続いたので、風の影響がすくないエリアを探したらそこに行き着いた。
去年の11月にもその場所を訪れていた。畑の様子は一変し、別の作物が植えられている。長く放置されて野原と化しているところもあった。
農地に点在する、そうした野原の縁にセイタカアワダチソウが群生していた。鳥影の濃い場所に腰を据えて、ときおり飛来する野鳥にレンズを向ける。
セッカ
沖縄ではセイタカアワダチソウを見た記憶がない。鹿児島に移り住んで最初の秋を迎えたとき、田園地帯が黄色く彩られているのを見て美しいと思った。今では、この花で秋の到来を知るようになった。
セイタカアワダチソウは秋の野鳥をフォトジェニックに演出する舞台装置だ。普通に眺めても綺麗だと思う。しかし、世間一般の評価はそうではないらしい。
この植物は日本の侵略的外来種ワースト100に選ばれている。明治時代に北米から持ち込まれ、戦後に急増した。
そのセイタカアワダチソウは冤罪の被害者でもある。ブタクサと似ているため、花粉症を引き起こす犯人という濡れ衣を着せられたのだ。
かつては在来種のススキを駆逐する勢いで蔓延したが、最近ではススキと共存するようになった。今回歩いたフィールドでも一緒に生えているシーンをたびたび目撃した。「仲良きことは美しきかな」という武者小路実篤の言葉を体現したような光景だった。
このススキ、アメリカの一部の州では侵略的外来種として猛威を振るっているとか。日本の在来種はひ弱なイメージだったので驚いた。
同時に、ススキが一矢報いたことを知って嬉しくなった。子供の頃、白黒テレビで見たプロレス中継で日本人レスラーがアメリカの悪役レスラーを打ち負かすのを見たときのように・・・




