沖縄にいるときは「花と野鳥」を写真のテーマに掲げていた。デイゴやハイビスカスなど、南国風のカラフルな花を絡めて野鳥を撮る。花コラボの主役はリュウキュウメジロ。甘党で花の蜜が大好きなのだ。
「花と野鳥」のテーマは鹿児島でも受け継がれた。気候が違うので沖縄のようなわけにはいかない。デイゴやハイビスカスは指宿でも見られるけれど、吸蜜しているメジロは見たことがない。
花の種類を変えれば花メジロの写真は撮れる。桜や梅はもちろん、シャクナゲやサザンカ、ヤブツバキなど探せばいろいろある。
とはいえ、花メジロの撮影シーズンは冬から春。冬はエサが少なくなるので花の蜜がメジロのエネルギー源になるのだろう。
いまの時季に花メジロは撮れない。かわりに「石と野鳥」というテーマを思いついた。艶やかで繊細な花とは対照的に、硬くて粗い無機質な存在。その石と絡めて野鳥を撮る。
「石と野鳥」のテーマは後知恵だ。最近よく行く河口のフィールドで石の上にいる野鳥を撮るようになった。その写真を見て、石には野鳥を引き立てるパワーがあると思った。柔と剛、動と静の対比が効果をあげている。

花コラボではメジロが主役を務めた。石コラボの主役はイソシギとキセキレイ。どちらも水辺がテリトリーだ。
モノトーンのイソシギには黒々とした石がよく似合う。ゴツゴツした硬い石肌は、キセキレイの繊細な美しさを際立たせる。
石ころを宝石に変えるのが写真の醍醐味とか。石を使って野鳥の魅力を引き出すこともできるだろう。異質なものの組み合わせが生みだす予期しない効果。写真は化学反応だと改めて思う。




