片隅のユートピア

野鳥を愛するシングルシニアの雑記帳

新緑の森の憂鬱

鹿児島で野鳥を撮るなら冬がベストだ。冬鳥の顔ぶれは多彩だし、木々が葉を落としているので探鳥もラク。ターゲットの障害物が減ることで、OM-1の鳥認識AFも底力を発揮してくれる。

それでも、森を歩いていて一番幸せを感じるのは今の季節だ。萌える若葉が日差しで輝くさまは息を呑むほど美しい。若葉のせいで鳴く鳥の姿を拝めないこともあるけれど、鳥を探して木々の新緑を眺めているだけで癒される。

その心穏やかな気分をかき乱すヤツがいる。メマトイという小さなハエだ。名前のとおり、メマトイは人の目にまとわりつく。涙を舐めに寄ってくるらしい。

目の周りをブンブン飛びまわる。うっとうしいことこのうえない。ただでさえ飛蚊症で悩まされているのに、リアルとバーチャルで二重に攻められることに・・・ 

瞬きしたときに目に入ることもあれば、息を吸ったときに鼻の穴に入ることもある。不快感がマックスに高まるのはそんなときだ。心穏やかに鳥を探すなど、もはや望むべくもない。

メマトイの襲来をいかに防ぐか。ネットで対策を調べてみた。ポピュラーなのはハッカ油を使う方法だ。

ハッカ油は沖縄でもブヨ対策で使っていた。自家製のハッカ油を帽子のツバにスプレーする。期待した効果は得られなかった。ハッカ油の濃度を高めると多少マシにはなるのだが。

続いて試したのが「サラテクトミスト リッチリッチ30」という虫よけ剤。メマトイは対象に含まれていないのだが、効果があるという情報をネットで得たのだ。

ハッカ油のように帽子のツバにスプレーする。最初はイケると思った。吹き付けた直後は寄ってこなくなった。

でも、しばらくすると元の木阿弥。追加でスプレーしてもダメだった。ブヨやマダニへの効果は期待できそうなので、本来の用途で使うことにした。

虫よけスプレーによる効果は限定的。そこで、目の守りを固めることにした。レンズの上下左右がフードで覆われた花粉対策メガネを購入する。この種のメガネもメマトイ対策に有効らしい。

新しいメガネで森を歩く。メマトイはやっぱり寄ってきた。フードと肌の間に隙間があるので涙の匂いが漏れるのだろう。

それでも、メマトイが目に飛び込むことはなくなった。検眼して作った度付きレンズなので遠くまでクッキリ見える。探鳥には好都合だった。

目の次は鼻。息を吸ったときに鼻の穴にメマトイが入るのを防ぎたい。結局、マスクを付けることしか思い浮かばなかった。

というわけで、決め手となるメマトイ対策はまだ見つかっていない。ハッカ油などの虫よけスプレー、花粉対策メガネ、マスクの3点セットで何とかしのいでいる。

このメマトイ、沖縄ではつきまとわれた記憶がない。やんばるの森では不快なメマトイに悩まされずに野鳥を撮ることができた。ハブはいても、亜熱帯の森はバーダーに優しい森だった。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/tokajar_h/20240506/20240506172003.jpgシメ

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https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/tokajar_h/20240506/20240506172039.jpg上2枚、コサメビタキ

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/tokajar_h/20240506/20240506172054.jpgコゲラ

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/tokajar_h/20240506/20240506172109.jpgヤマガラ

それでも、若葉が萌える南薩の森で鳥を探すのは楽しい。