鹿児島では冬が野鳥撮影のベストシーズン。去年のブログにそう書いていた。1年経って印象は変わった。胸の高鳴りを覚えるのは冬鳥よりも夏鳥が多い。そう思うようになった。
アカショウビン、コマドリ、オオルリ、キビタキ、サンコウチョウ。これらの夏鳥は見た目がよいだけでなく、美しい鳴き声を聞かせてくれる。眼福と耳福を併せ持つのが夏鳥なのだ。
上に挙げた5種のうち、撮影難度が一番高いのはアカショウビンだろう。飛び去る後ろ姿をチラ見できれば良いほうで、鳴き声だけで終わることが多い。
とはいえ、鳴き声を聞くだけでも心は満たされる。あの美しい赤い鳥がすぐ近くにいる。そう思うだけで胸の高鳴りを覚える。
胸のときめきではコマドリも負けていない。アカショウビンが鳴き声だけで終わりがちなのに対し、コマドリでは囀りが撮影に結びつくこともある。
今年の春もそうだった。鳴き声を聞いてその場でじっと待つ。あの倒木に出るかもしれない。頭の中でコマドリの出現場所をシミュレートし、胸の前でカメラを構える。
コマドリが姿を見せた。心臓の鼓動が速くなる。撮影中は忘我の境地。コマドリとアカショウビンはアドレナリンを解き放つ二大野鳥だ。


コマドリの撮影はカヤックフィッシングに通じるものがある。沖縄では、野鳥に目覚めるまでカヤックフィッシングに夢中だった。亜熱帯のパワフルな魚を相手に血が沸き立つような瞬間を味わっていた。
コマドリの撮影もまた、アドレナリン全開の自然のドラマだ。鳴き声を聞いて撮影を終えるまで、ワクワク、ドキドキが止まらない。ここまで夢中になれる被写体はコマドリとアカショウビンだけ。
もうひとつ候補の鳥がいた。ヤイロチョウだ。5月はヤイロチョウの鳴き声が聞けるチャンス。絶対数が少ないので、見られる確率はアカショウビンよりもさらに低くなる。
出会いに向けた最初のトレーニングは、ヤイロチョウの鳴き声を耳に刻みつけること。コマドリのように美しい鳴き声ではないけれど、フィールドで耳にしたら胸がときめくだろう。コマドリと同じように、あるいはそれ以上に・・・




