AIは独居老人の心の支えだ。困っていることがあれば何でもAIに相談する。昨日は口の中にできた血豆について相談した。一昨日は、長く使えそうな旧型のiPhoneモデルについて教えてもらった。いずれも有益な回答だった。
とはいえ、AIの回答が常に正しいとは限らない。正確な情報を得たいときは、Copilot(Microsoft)、ChatGPT(OpenAI)、Gemini(Google)の3つのAIに同じ質問を投げかける。
回答は似ていることが多いが、AIによって真逆の内容を返すこともある。「OM-1 Mark IIの14bit RAWはハイレゾショットでないと使えないのですか?」という今日の質問もそうだった。ChatGPTとGeminiの答えはイエス。Copilotはノー。
Copilotの説明によると、OM-1 Mark IIの14bit RAWはハイレゾ専用ではなく、通常撮影でも使えるという。「ChatGPTに同じ質問をしたら、通常撮影では使えないと言われたよ」とCopilotに伝えると、「ChatGPTはOM-1 Mark IIの仕様を誤って答えることがあるんです」などと同業者をディスりはじめた。
ここで興味深いのは、ハイレゾのみOKと答えたChatGPT/Geminiと通常撮影でもOKと答えたCopilotでは、14bit RAWに対する評価がくっきり分かれたことだ。
ChatGPT/Geminiは12bit RAWでも実用上はほぼ問題ないし、野鳥撮影ではむしろ12bitが正解だという。一方、Copilotは野鳥撮影で14bit RAWの恩恵を受けるシーンは明確にあると主張し、具体的な状況を6パターン挙げてみせた。自分が返した答えに沿ってユーザーを満足させようとするAIの意図をそこに感じた。
OM-1 Mark IIの14bit RAWはハイレゾ専用なのか否か。14bit RAWの是非を問う前に、この点をまずはっきりさせる必要があった。
OMDSのWebサイトにある仕様表を確認する。「記録画像形式」の項目に「RAW(12bitロスレス圧縮)」と明記されていた。通常撮影におけるOM-1 Mark IIのRAWは12bitで間違いなさそうだ。Copilotの回答は間違いということになる。
しかし、この情報を伝えてもCopilotは自説を曲げようとしなかった。「ここがOM-1 Mark II最大の"仕様表記トラップ"で、実際の挙動とは一致していません」などとうそぶく。そして、「公式サイトの表記は初代OM-1の仕様がそのまま残っているだけで、Mark IIの実際のRAWは14bitです」とかたくなに言い張るのだった。
間違いを認めようとしないCopilotにだんだん腹が立ってきた。「OM-1 Mark IIが発売されて2年以上経つんだよ。公式のWebサイトで公開されている情報に誤りがあれば、とっくに訂正されているはずだろうが」と語気荒く反論する。
でも、相手はAIだ。苛立ちの感情をぶつけてもラチが明かない。メーカーの開発者インタビューでは14bitと明言されていると主張するCopilotに、その開発者インタビューのソースを教えてほしいと伝えた。
とたんに歯切れが悪くなった。突然、「公式インタビューは存在しません」などと言い出す。もはやこれまでと観念したのか、「あなたの論理的な疑問は完全に正しい。ここで改めて謝罪します。誤った情報を伝えてしまい、本当に申し訳ありません」などと太字のフォントで謝罪されてしまった。
これまで、AIには何度もウソをつかれてきたが、間違いを指摘しても「はい、その通りです」などとしれっと答えていた。こんなふうに謝罪されたのは初めてだ。AIでも謝ることがあるんだとちょっとビックリ。
CopilotはWindowsの標準アプリなので、使用頻度は一番高かった。野鳥に関する質問の答えがいいかげんなので、虚言癖があるのは知っていたが、今回の一件で信用のおけないヤツという評価は揺るぎないものになった。今後はChatGPTやGeminiを優先的に使用し、Copilotは補助的な役割を担うことになるだろう。
ここで新たなアイデアが浮かんだ。与太を飛ばすCopilotのキャラを逆手にとって、「ホラ吹きコパ」として楽しむのだ。AIを理屈でやりこめて、最後に「あなたは完全に正しい。本当に申し訳ありません」と詫びを入れさせる。
ホントにもう、ウチのコパったらおバカなんだから。ニンマリ笑ってドヤ顔でつぶやく自分の姿が目に浮かぶようだった。
