夏の野鳥撮影では危険な生き物に要注意だ。マダニ、スズメバチ、そしてマムシ。マムシに咬まれるのは夏が多いという。
早朝の暗い森、落ち葉の道を歩くときはマムシがいないか目を凝らす。マムシの体色は落ち葉そっくりで紛らわしい。攻撃性は低くても、気づかずに踏んだら咬まれるかもしれない。
今年の5月に目撃したマムシの幼蛇
8月になると、アオダイショウをときどき見かけるようになった。無毒のヘビなので危険はないのだが、見た瞬間はギョッとする。人間の脳はヘビを見たら瞬時に警戒するようにプログラミングされているらしい。
その日、道路脇でアオダイショウを見かけたときもドキリとした。ふだんは近づくと逃げるのだが、そのままじっとしている。さらに近づくとようやく動きだした。
探鳥で出会った生き物の記録として写真を撮り、さらに先へ進んでいく。数歩で足がとまった。アオダイショウが「ワタシをもっと撮って」と背後から呼びかけている気がしたのだ。
アオダイショウは同じ場所にいた。道にしゃがんでレンズを向ける。それに呼応してゆっくりと動き出した。
こちらを警戒している様子が窺える。それでも、鎌首をもたげて威嚇するポーズはとらない。元来おとなしい性質なのだろう。
近い距離からアオダイショウをじっくり見るのは初めてだった。目がまん丸でかわいい。毒蛇のハブやマムシは瞳孔が縦長だけど、アオダイショウは円形。それもまた、アオダイショウの温和なイメージに一役買っている。
目の周りの精緻なウロコ模様も美しい。青と緑とグレーが絶妙に混ざった色あいは、どこか青磁器を思わせる。

突然目にしたときの衝撃が収まり、冷静に眺めたアオダイショウは撮り応えのある被写体だった。アオダイショウを撮っていたら、沖縄にも美しいヘビがいたことを思いだした。それはリュウキュウアオヘビ。アオダイショウと同じように臆病でおとなしいヘビだった。
アオダイショウといえば、去年の夏に家の敷地内で幼蛇を見かけた。マムシと似た模様でギョッとしたけれど、目はまん丸でアオダイショウのそれ。
最近見かけないのだが、もしかしたらウチの屋根裏に棲みついているのかも。夜中に天井から音が聞こえることもあるし。
アオダイショウならネズミを食べてくれる。立派に成長すれば我が家の守り神になってくれるだろう。ウインウインの関係が築けるなら、それもまた良しと思うことにした。





