片隅のユートピア

野鳥を愛するシングルシニアの雑記帳

眺めのよい街

YouTubeを閲覧していたら「絶対に住みたくない鹿児島の街ランキングTOP12」という動画が目にとまった。クリックすると、ホームタウンの指宿が冒頭で紹介されている。ランキングは12位。思わず苦笑いを浮かべていた。

住みたくない理由として、次のようなことが挙げられていた。

・観光業以外の産業が乏しく働き口が限られる。
・高齢化と過疎化が進んでいる。
・バスや鉄道の本数が少なく、車がないと生活できない。
・観光地としては良くても暮らすとなると話は別。
・スタバや無印といったおしゃれなチェーン店がほとんどない。
薩摩半島の南端にあり、物理的にも心理的にも離島感がある。

観光に来るなら指宿は最高だけど、移住してものんびり幸せというわけにはいかないかも。動画ではそう結論づけていた。

高齢化や過疎化、仕事が限定されることや車がないと生活できないことは、指宿に限ったことではないだろう。日本全国で見られる「田舎あるある」だ。個人的に興味を引いたのは、「観光地としては良くても暮らすとなると話は別」という指摘だった。

旅行で訪れるのと住むのとは違う。移住希望者がよく聞かされる話だ。移住候補地だった屋久島や石垣島へ視察に行ったときも、旅行者ではなく生活者の目で見るように心がけた。

亜熱帯から亜寒帯まで垂直分布する屋久島の自然は圧倒的だった。海も山も1級品。こんな場所に住めたらエキサイティングな毎日が送れると思った。

その一方で、人口の少ない離島の生活インフラに不安を覚えた。最終的に沖縄本島の名護市を移住先に選んだのだが、この選択は正しかったと思う。

それでは、指宿はどうだろう。家の老朽化という問題はあるにしろ、おおむね満足して暮らしている。風光明媚な土地柄も気に入っている。むしろ、そこに一番惹かれているのかも。

視察で訪れたときにビビッとくるものがあった。海に向かってベンチが置かれた芝生の公園。錦江湾をはさんで大隅半島の山並みと噴煙を上げる桜島が見渡せる。ずっと眺めていたい風景だった。

ホテルの敷地にハイビスカスが咲いている。公園の緑地ではデイゴが花を咲かせていた。沖縄みたいだと思った。南国の花が街のあちこちで見られる。それも好感度アップにつながった。

指宿には海と山と湖がある。美しい景色を眺めているだけで心が癒される。ビジュアルヒーリングの街なのだ。

波長が合ったのだと思う。何に価値を見いだすかによって街の評価はガラリと変わる。美しい眺めは心のご馳走だと思えるなら、指宿に移住しても幸せになれるだろう。

動画では否定的に語られていた離島感も辺境志向の自分には好ましく感じられた。もちろん、本当の離島ではないので生活に困ることはない。ドラッグストアやコンビニなど、必要な店はすべて徒歩圏にある。

この秋には24時間営業の大型スーパーが自宅の近くにオープンするらしい。寿司や刺身も安く買えるとか。今から楽しみだ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/tokajar_h/20250609/20250609175838.jpg魚見岳から知林ヶ島を望む

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/tokajar_h/20250609/20250609175825.jpg池田湖と開聞岳

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/tokajar_h/20250609/20250609175814.jpg開聞山麓自然公園の第三展望所からの眺望