沖縄から鹿児島へ引っ越すと、やんばる三種の野鳥たち(ホントウアカヒゲ、ノグチゲラ、ヤンバルクイナ)とは会えなくなる。寂しいけれど、それは覚悟の上だった。
その一方で、鹿児島でも見られるはずなのに出会いのチャンスに恵まれない鳥がいた。ムナグロはその代表格だ。
沖縄では、自宅から近い海辺の公園にムナグロが群れていた。毎年秋になると飛来し、春を迎えると北へ向けて旅立っていった。
ムナグロは冬羽と夏羽で印象がガラリと変わる。冬羽のムナグロは地味だけどしっとりとした風情がある。夏羽では顔から腹にかけて黒くなる。エレガントな夏羽を目にすると、旅立ちが近いことを知って寂しくなった。
公園のムナグロは野鳥写真の原点ともいえる存在だった。低い位置から撮影することのメリットや背景を選ぶことの重要性など、野鳥撮影のノウハウをムナグロから学んだ気がする。
動きが緩慢なムナグロはローポジション撮影の格好のターゲット。すこし動いては止まるというパターンなので、AFが遅いNikon D500のライブビューでも撮ることができた。
ムナグロの目線にレンズを置いて、被写体と向きあいながら単写モードでぽつりぽつりとシャッターを切る。地面に膝をついた姿勢で撮っていると、3~4メートルの距離までムナグロが寄ってくることも。クセになる癒やしの鳥撮りだった。
大きなクリクリした目がカワイイ。GIカットのような髪型もイケている
斜め後ろから見る夏羽のムナグロが好き。頭から胴に伸びるS字カーブが美しい
芝生に咲くシロツメクサと花コラボ
9月上旬に撮影。夏羽の名残が残っている
渡りの時期になれば鹿児島でもムナグロは見られるハズ。そうタカをくくっていた。現実は違った。2年経っても出会いのチャンスは巡ってこない。
居住エリアが渡りのルートから外れているのかもしれない。ネットの情報によると、薩摩半島の西海岸では渡りのムナグロが見られるらしい。
明日から4月。春の渡りが本格的に始まろうとしている。田んぼで採餌しているムナグロの群れと出会えるかもしれない。
沖縄の公園を飛び立って海を渡ってきた、あの懐かしいムナグロたちにまた会いたいと思った。
ムナグロ マイラブ
