前期高齢者に仲間入りし、ジジイ見習いの1年生となった65歳も終わり、またひとつ歳を重ねた。これまで以上に脳と体の経年劣化を意識した1年だった。
老いへの身支度について考えざるを得なかった。参考になりそうな指南書をAmazonで物色する。サクッと読めそうな「70歳が老化の分かれ道」という新書本をポチった。まだ70歳ではないけれど、早めに準備するに越したことはない。
通読すると、老いを遅らせる70代の生き方について、さまざまなヒントが書かれていた。たとえば、アウトプット型の行動スタイル(自分の考えを発信する)、セロトニンを増やす(肉を食べる、日光を浴びる)、意欲の低下を防ぐ(男性ホルモンを活性化させる)等々。
もっとも興味を覚えたのは、「運転免許は返納してはいけない」の項だった。免許を返納すると外出の機会が奪われて家にこもりがちになり、脳と体の機能が衰えるという。
高齢ドライバーによる事故のニュースが連日のように報じられるなか、世間の風潮に逆行した提案に思えた。しかし、事故を起こす確率は高齢ドライバーよりも若年ドライバーのほうが高いという。
何となくわかる気がした。血気盛んな若者のほうが無茶な運転をするイメージがある。危険な煽り運転は40代が一番多いと聞くし・・・
それでも、老人が多い指宿で車を走らせていると、高齢ドライバーの運転に不安を覚えるときがある。マイペースで走る四つ葉マークの軽トラにイライラしたりもする。
その一方で、高齢化を迎えた田舎町で生活する以上、これは避けて通れないことなのだとも思う。ほかならぬ自分も高齢者なのだ。自覚がないだけで、自分の運転もほかのドライバーに不安を抱かせているのかもしれない。
免許の返納は老化を加速すると著者は書いていた。我が意を得たりと嬉しくなった。車があれば好きなときに好きな場所へ行くことができる。移動の手段を得ることは、行動の自由を謳歌することにつながる。自由に移動できれば脳も活性化されるだろう。
実際、車を運転したあとは頭の回転が早くなる。車の運転中はさまざまな刺激を受けて、いろいろなことに気を配るので、脳の血流が増えるのかもしれない。
80歳近い高齢者が車で買い物に来ているのをよく見かける。道路事情に詳しい地元であれば、歳をとっても運転は続けられるような気がする。
先日、近くの警察署に行って免許の更新手続きをした。10月に更新時講習を受ければ新しい免許証が手渡される。
5年後の免許更新では高齢者講習が待っている。願わくば、ゴールド免許のまま新たな免許更新に臨みたいものだ。
