恐いから見たくない。でも見ないわけにはいかない。気象庁の「台風情報」をクリックして天を仰いだ。台風10号「サンサン」はさらに西寄りに進路を変えて、鹿児島の錦江湾を北上するコースをとっていた。
ここ数日、台風情報を見るたびに気分が重くなっていた。予想進路がどんどん西寄りになっている。昨夜見たときは宮崎県の東海上を通るコースだった。だいぶ近づいてはいるものの、台風の左側なので強風の被害は軽くなる。そう自分に言い聞かせていた。
鹿児島で迎える2回目の台風だった。昨年の台風6号「カーヌン」は鹿児島県西側の海を北上した。強風で家は軋んだけれど、雨漏りの被害は免れた。短い停電は何度か起きたが、いずれも数分で回復した。
しかし、カーヌンのルートは指宿から離れていた。現時点での予想進路をサンサンがとれば、台風の直撃を受けることになるだろう。前回のようなわけにはいかない。
家の守りを固める必要があった。サッシ窓は雨戸で防御する。雨戸を使えない窓には去年の夏に対策を施していた。「米」の形に養生テープを貼り、さらにプラダンで補強してある。
養生テープとプラダンで補強した浴室の窓。テープが剥がれかけていた
すこし悩んだのが庭に置いたカヤックの扱い。去年の台風では万全を期して家の中に入れた。しかし、全長3.3mとデカいので大仕事だ。庭に置きっぱなしなので汚れもひどい。
置き場所が塀際なので風の影響は受けにくそうだ。結局、このまま庭に置いてカヤックの両端をブロックで固定することにした。
庭のオブジェと化したカヤック。無駄にデカい
停電にも備える必要があった。冷蔵庫が使えなくなるかもしれない。今日は食料買い出しの日。冷蔵食品や冷凍食品の購入は控えることにした。缶詰やレトルト食品、カップ麺など、停電の影響を受けにくい食料を調達する。
沖縄では台風による停電で断水も経験した。当時は集合住宅の6階に住んでいた。今は一戸建てなので、停電しても水は何とかなりそうだ。
それでも、台風の脅威は今の家のほうが高まった気がする。沖縄の自宅はコンクリートで守られていた。サッシ窓は網入りガラス。沖縄の台風はパワフルなので、鉄筋コンクリートのマンションでも強風の揺れは感じたけれど、身の危険を覚えることはなかった。
いまの我が家は築50年の木造家屋。経年劣化であちこちガタが来ていても不思議はない。猛風で屋根瓦が吹き飛ぶかもしれない。豪雨で雨漏りが起きるかもしれない。
そんなことを考えていたら、エアコンの温度が急に下がったような寒気を覚えた。全労済の「住まいる共済」に加入しているので、台風による被害は補償の対象になるのだが・・・
予想に基づくと、サンサンの襲来は8月28日の夕方以降になりそう。予想円はかなり大きいので、この3日間で進路が大きく変わる可能性もある。去年のカーヌンはそれで被害を免れた。このパターンが今年も再現されることを祈るばかりだ。
サンサンよ、もっともっと西へ向かって突き進んでくれ