これでもかと猛暑が続く毎日。それでも、秋の渡りは始まっていた。留鳥のシロチドリやイソシギに加えて、トウネンやキアシシギなどの渡り鳥も目にするようになった。
見通しがきく砂浜。鳥を見つけるのは簡単だ。問題はどうやってアプローチするか。向こうからもこちらが丸見えなので、不用意に近づくとすぐに飛ばれてしまう。
漂着物が点在する河口の干潟を撮影場所に選んだ。エサが豊富なのか野鳥をよく見かける。漂着物に身を寄せれば野鳥の目をくらませるかもしれない。
波打ち際からほどよく離れた流木に腰を下ろした。時刻はすでに9:30AM。気温が上がると陽炎の影響を受けるので、もっと早い時間帯のほうがよいのだが。
座ってじっとしていると、人影に驚いて離れていった鳥たちが戻ってきた。波打ち際をこちらへ歩いてくる。
まだすこし距離があった。幸運にも満ち潮のタイミングだった。時間とともに波打ち際のラインがじりじりと迫ってくる。それに伴って、渚でエサを探す野鳥との距離も近くなっていった。
確認できた鳥はシロチドリ、コチドリ、ミユビシギ、そしてソリハシシギ。せわしなく歩きまわるソリハシシギを目で追っていた。嘴と脚がオレンジ色で写真映えがする。
最初はファインダーで撮っていた。潮が満ちてきたので、途中からバリアングルモニターでの撮影に切り替える。
OM SYSTEM OM-1 + LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm
野鳥写真のカメラをD500からOM-1に換えたことで、バリアングルモニターを使ったローポジション撮影が容易になった。D500のチルト液晶はAFが遅く、ムナグロのように動きが緩慢な鳥しか撮れなかった。
OM-1のバリアングルはAFが速く、鳥認識も使えるため、動きの速い野鳥でも撮影できる。地面を歩く鳥を低い位置から撮るのが好きなので、乗り換えによって大きな恩恵にあずかった。
気がつくと、満ち潮が足もとまで迫っていた。炎天下の干潟で40分ほど撮っていたことになる。撮影に没頭していたので、暑さはほとんど感じなかった。
秋の到来を告げる干潟の鳥たち。この秋にはOM-1のファームウェア更新も予定されている。最新ファームでAFの信頼性が高まり、ゴミ箱ボタンでメニューを操作できるようになれば、OLYMPUSのロゴが付いたこの初代OM-1を末永く愛せそうな気もするのだが・・・