写真は撮っているときが一番楽しい。自然のフィールドで野鳥を撮ることが多いので、よけいにそう感じるのかもしれない。時々刻々と変化する自然のドラマは飽きることがない。
沖縄に移住してから本格的に写真を始めた。亜熱帯の沖縄はエキゾチックで写欲をそそる。住んでいたのが海と山に恵まれた街だったので、気がつくと自然が主な被写体になっていた。
山に登れば植物を撮り、カヤックでは釣った魚を撮った。花や昆虫のマクロ写真にハマったこともある。
撮った写真はブログに載せた。気に入った写真はFlickr(写真共有サイト)にアップした。Flickrは有料会員になり、頻繁に写真を投稿していた時期もある。
Flickrへの投稿は止めても写真は撮り続けた。次から次へと写真は生まれ、同じ速さで埋もれていった。
感性のセンサーに触れたものは何でも写し取る。ダメなものは削除すればよい。大事なのは撮り散らかした写真ではなく、感性のセンサーをフルに働かせることなのだ。そんなふうに思っていた。
60代後半にさしかかった今、その考えが揺らいでいる。何かアクションを起こさなければ、撮りためた写真は陽の目を見ずに終わってしまう。そう思うと寂しい気がした。
埋もれた写真に光を当てて、有効な使い道を考える。それがこの夏の課題だった。2つの案が思い浮かんだ。
ひとつは収入源として活用すること。沖縄の動植物や自然の風景など、商品価値のありそうな写真をストックフォトで販売する。それなりの金額を稼ぐには大量の写真をストックする必要があるだろう。
もうひとつは、過去の写真の中からお気に入りの作品を選抜し、写真集の形にまとめること。本当にやりたいのはこっちだった。
紙の本は金がかかるので、電子書籍の写真集を作ることにした。Kindle本としてAmazonで売る予定だけど、ハナから儲けは期待していない。埋もれている写真をテーマ別に集約化し、いつでも閲覧できるようにすることが目的だった。
沖縄の動植物と自然をテーマにした写真集をシリーズ化することも考えている。その第一弾を飾るのはカヤックで釣った魚の写真集。候補写真の粗選りはもう済ませた。175枚の候補写真は、最終的に50枚ほどに絞られることになるだろう。
カヤックフィッシング写真集の作品サンプル
Kindle版の写真集が完成したら、それを基にして紙媒体の写真集(フォトブック)も作る予定。2~3部なので費用はたいしてかからない。
眺めて楽しいのは、自分のために作った紙の写真集かもしれない。手に取ってページをめくるときの紙の質感。そこには、確かなモノとしての写真が息づいている。
アカジン 69cm
タマン 60㎝
イヌバー 73cm
アドレナリン全開の死闘を繰り広げて力尽きたモンスターたち。いつかまた心躍る海へ・・・